シカの頭数の急激な増加および生息範囲の拡大に伴い、近年の緑化工の設計では、シカの食害や踏み荒らしに対する対策を併せて検討することが不可欠になっています。当社では、シカの生態に着目した工法を開発し、自然との共生を図る試みを行っています。
しかポロン®
しかポロンは、シカの嗜好性植物である日本産ノシバを生育させるシカ共生緑化工法です。ノシバは地表面を這って生長するため、シカの採食被害が高い地域でも枯死に至る被害を回避し、良好に生育します。また、ノシバの種子の発芽率は、シカの消化管を経ることによって促進されるだけでなく、シカから排泄される糞によって発芽可能なノシバの種子が広範囲に拡散するため、シカの侵入防止柵などを必要としない経済的にも優れたシカ対策緑化手法です。
施工半年後(シカ採食状況(夜間撮影時))
施工半年後(緑化状況)
カプスガードプラス®
国産の唐辛子と定着剤を組み合わせた液体の獣害対策資材です。植栽時に背負い式の噴霧器を用いて本製品を苗木に噴霧することで、苗木が辛み成分でコーティングされ、忌避効果を発揮します。定着剤によって忌避効果の持続性が向上し、防護柵での保護や単木保護に比べて作業負担が少なく、造林作業の施工性向上と低コスト化が期待できる製品です。